2018.01.10

これからの不動産を考える【1】 不動産購入で成功する人失敗する人

みなさんのなかにも、近々不動産を購入しようと考えている人がいるかもしれない。そこで悩ましいのが、その資産価値のこと。先行き不透明なこの時代、どこに、どのような物件を買うのが正解なのか? 30年以上不動産を中心にした編集業務に携わってきた不動産のプロ・中川寛子さんにお話を伺った。

その土地のポテンシャルを見極める

長らく信奉されてきた『土地神話』が崩れてきている昨今では、都心なら心配ないというわけではない。また、人口減少の影響を受けて、地方は厳しくなると思いがちだが、それも一概には言い切れないのだと言う。2029年の歳人口は、愛知県や滋賀県、沖縄県など地域によっては全国平均よりも上になる地域もある(進研アド調査による)。野村総合研究所の『成長可能性都市ランキング』(2017年)によると、東京都や大阪府などの都市部に続いて、鹿児島県鹿児島市や茨城県つくば市など地方都市でも、将来のポテンシャルが高い都市がある。「地方だからダメ、というわけではなく、さまざまな観点から見る必要があります」と中川さんはいう。

では、具体的にどのような点を考慮すれば良いのだろうか?

中川さんが提唱するのは、『ウォーカブルタウン』という考え方だ。これは、商業施設や公共施設などが最寄り駅から1km圏内にコンパクトに集積している利便性の高い街のこと。1kmというと、歩いて約15分程度になる。

郊外にあるような、マイカーを使って大型ショッピングモールにいくようなスタイルは、新婚夫婦や子育て世代にとっては良いかもしれない。だが、高齢者の自動車事故の問題などを鑑みると、マイカーを使わないで歩いて回れる街の方が安心・安全、それに体を動かすことによって健康的にも優位性が増していくはずだ。いまから老後のことを考えるのは難しいと思う人もいるかもしれないが、高齢化が進むからこそ、今後の住まい選びのポイントになる。

少し古いデータだが、『東京都市圏における鉄道沿線の動向と東武伊勢崎線沿線地域の予測分析』(2012年)というデータの中には、東急田園都市線と東武伊勢崎線の人口増減率を比較検討したものがある。それによると、駅前に商業施設を多く作っている田園都市線の方が、商業施設が駅から離れたところにある東武伊勢崎線に比べて、将来において人口が増加し、鉄道需要の増加が見込まれると予測されている。

さらに、周りの環境にも注意が必要だ。地盤が強いエリアかどうか、長い目で見て安全かどうか、考慮する必要がある。

田園都市線の多くの駅では、商業施設が立ち並び、駅周辺はウォーカブルタウンとして機能している。二子玉川はその最たる例だ。

自分が住む街全体の価値にも注目しよう

人気で利便性が高いと人気のタワーマンションだが、買うときは注意が必要だ。例えば、高層タワーマンションがあることで、周囲の日当たりが悪くなってしまえば、そのエリアの一戸建てが売れなくなって資産価値が下がり、その結果、街全体の価値まで下がってしまう。

自分には関係ないと思いがちだが、巡り巡って、自分が所有する不動産の資産価値にも影響してしまう可能性がある。自分のことだけでなく、街全体の価値も考慮する必要がある。

「自分のことやお金儲けだけが目的の人は結果的に失敗する人が多いです。それよりも、周りの住民の役に立つような活用をしている人の方が、成功しています」。

都心で人気エリアのひとつであるベイフロントのタワーマンション。眺望やブランド力で憧れをもつひとも多いが、近隣や地域に対して、きちんと理解をしてから購入したい。

不動産購入でも、広い視野で街全体や社会について考える視点が求められている。

●中川寛子
住まいと街の解説者。東京情報堂代表取締役。オールアバウト『住みやすい街選び(首都圏)』ガイド。30年以上不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービスその他街の住み心地をテーマにした取材、原稿が多い。主な著書に、『この街に住んではいけない』(マガジンハウス)、『解決!空き家問題』(ちくま新書)など。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

(出展:『驚愕! 日本の未来年表』

(編集 M)

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(2017.11.28発売)

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