iPhone発売11年目。公取委から『シロ』の裁定。9月新型発売時には新料金プランも?

iPhone発売前の携帯電話のこと、覚えてますか?

先日、7月11日に、iPhoneが日本で発売されてから10年が経ったというレポートをお届けした。

10年前は、日本は今でいう『ガラケー』の全盛時代で、携帯電話では、iモードや、EZWeb、Yahoo!ケータイなどのケータイ用インターネットにしか、我々は接続できなかった。

iPhoneが日本に導入されても『常時接続』でないと意味がない……と思っていたら、『無制限量のパケット定額』をソフトバンクの孫正義社長が打ち出してくれた。ドコモ、auに追いすがる第3位の携帯電話キャリアとして、起死回生の策だったのだろう。おかげで、後年7GB制限ができるまでは、パケットの使用量を気にしなくても良くなった。

ソフトバンクから発売されたばかりの頃は「iPhoneなんて売れない」と言われたものだが、ご存じのように徐々にその価値は認められ、翌年発売されたAndroid携帯とともに、徐々に市場の中心となった。とはいえ、発売当初のAndroidは非常に動作も重く(今思えば、使いものにならないほど)、iPhoneだけがスマホの価値を体現してた時代は長かった(多分、2011年ぐらいまではそうだったのではないだろうか?)。

そして、2011年の4sでauから、2013年の5sでドコモから、それぞれiPhoneが販売されるようになった。それまでは「iPhoneではなくAndroidだ!」と言っていた2社とも、手の平を返したようにiPhone中心のセールスに切り替え、国内3社がiPhoneを売る競争になった(実はそれからまだ5年しか経っていない)。

そんな中、疑念としてあったのが、アップルがその強力で独占的な立場を利用して、市場をコントロールしているのではないかというウワサだ。

そのウワサは大きくわけて4つある。「キャリアが購入するiPhoneの数には、アップル決めたノルマがある」「料金プランに関して、アップルが制約を設けている」「下取りiPhoneを、アップル日本で売れないように制限している」「購入補助のあるプランしか選べない」というものだ。

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アップルに問題はなかったという結論が、なぜこんな報道になるのか?

実はこの問題に関して、公正取引委員会(公取委)が立ち入って2016年10月から審査が行われていた。

そして、2018年7月11日、まさにiPhone日本発売10周年のその日に、公取委から「大半の点については問題なし。第4の点についてはアップルが契約を改定したので問題なし」つまり、「シロである」という発表が行われたのだ。

ちなみに、新聞各紙はこれについて『「料金プランを制限」公取委、問題視――アップル、契約変更へ』というようなタイトルでニュースを出している。

うーん、公取委の発表を見て、なぜそういう見出しになるのか分からない。アップルに敵意を燃やす理由でもあるのだろうか……? たしかに、私だって日本国内のメーカーに頑張っていただきたいという気持ちはあるが、キャリアと共に、モバイルインターネットを閉じたものにしようとし、さらに国内市場という場所に向けて、Androidで戦おうとしておおむね失敗した(パナソニック、NEC、東芝、富士通などのスマホはすでにない)ことを考えると、閉じた世界を志向して、自滅してしまったとしか思えない。インターネットはオープンであってこそ価値があるのに……。iPhoneで遊んでいた人にとっては自明のことでも、大企業の論理で活動する人たちには見えないことがあるようだ。

それはともかく、『ウワサ』として根強かった、アップルが独禁法に反する圧力をかけているという話について、『デマだった』と公取委が発表した意義は大きいだろう。

キャリアがiPhoneを販売する数には強制力のある取り決めはなかった。料金プランについてアップルが強制していることもなかった。下取りされたiPhoneが国内で流通しないのは、大量に安価で買って行く海外企業が存在するからだった。

9月からは端末補助のないプランも登場するかも?

そして最後の端末補助プランについては、アップルには「端末補助プランがある方が、ユーザーに安価で携帯を提供できる」という考えがあったようだが、この規定についてはアップルが撤廃をキャリア3社と合意したと公取委に申し出だのだそうだ。

おそらく、9月の新iPhone登場の際に、新料金プランが提示されるのだろう。

今後、我々は、端末補助のあるプランか、ないプランかを選べるようになるはずだ。2年で買い替えるのではれば端末補助のあるプランを、2年以上の長期間1台の端末を使うのであれば、端末補助のないプランを選んだ方がお得になるようだ。

10年来のiPhoneユーザーであり、アップル製品マニアである私などにとっては、iPhoneが今の使い勝手の良さを維持していってくれるのなら、iPhoneが独禁法に違反してようが、高価であろうが買い続けるとは思うが、一般の話としては、公正である方がいいに決まっている。

ご心配なく。アップルは、公正な競争の上で、現在の人気を手に入れているのである。

(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2018年7月号 Vol.81』

(村上タクタ)

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